候補者・求人のExcelをCRMへ移す手順【CSVの作り方つき】

ROSTER 編集部/公開:

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移行 / Excel / 候補者管理

Excel やスプレッドシートで管理してきた候補者・企業・求人の一覧を CRM へ移すときの実作業を、表の整理(1行1人・重複・日付・電話番号・全角半角・ステータス)、CSV UTF-8 での保存、列の対応表、数行での試し取り込み、件数の照合、移したあとの古い Excel の保存期間まで、架空の事業所Aの例で順に説明します。

この記事のポイント

  • 取り込む前に、候補者・企業・求人を別のシートに分け、1行に1件だけを置きます。
  • Excel では「CSV UTF-8 (コンマ区切り)」で保存し、開き直して上書きしません。
  • 古い Excel が管理簿を兼ねていたなら、有効期間の終了後2年間は消さずに保存します。

Excel の候補者一覧を CRM(候補者・企業・求人・選考を1か所で扱う管理システム)に移す作業は、4段に分かれます。表を整える、CSV で保存する、数行で試す、全件を入れて件数を合わせる、の順です。時間がかかるのは取り込みの操作ではなく、その前の表の整理です。移したあとの古い Excel は、管理簿を兼ねていたなら2年間は消さずに残します。

迷いやすいのは、「1人が何行にも分かれている表をどう直すか」「電話番号の先頭の0が消える」「古い Excel をいつ消してよいか」の3点です。この記事では、候補者438行の Excel を持つ架空の事業所Aを例に、作業を順に進めます。

どのデータの持ち主を決めるか、選考の段階を何段にするかといった、移す前の方針はExcel から CRM に移すとき最初に決める5つのことで扱いました。ここでは、その方針が決まった後の手を動かす作業だけを書きます。

作業の流れ(早見表)

段階やること終わったと言える状態
0. 準備原本のコピーを作り、作業する場所を決める原本は閉じたまま、コピーだけを触っている
1. 表を分ける候補者・企業・求人・選考を別のシートにする1シートに1種類、1行に1件
2. 重複を探すメール・電話・氏名と生年月日で同じ人を探す同じ人が2行以上ない
3. 書式をそろえる日付・電話番号・全角半角・ステータスを統一同じ意味の値が同じ書き方
4. 不要な項目を外す持つべきでない情報の列を消す移す列だけが残っている
5. CSV で保存シートごとに CSV UTF-8 で保存メモ帳などで開いて文字化けがない
6. 試し取り込み5行だけ入れて画面で確かめる化け・桁落ち・日付のずれがない
7. 全件と照合全件を入れ、件数を突き合わせる元の行数と結果の合計が一致
8. 古い Excel参照専用にして保存期間まで残す置き場所と消してよい日が決まっている

準備: 原本に触らず、コピーで作業する

最初に、原本の Excel を複製し、ファイル名に日付を入れます(例「候補者一覧_移行作業用_2026-11-02.xlsx」)。原本は閉じたままにして、手を入れるのはコピーだけです。

作業用のコピーにも候補者の個人情報がそのまま入っています。職業紹介事業者は、求職者の個人情報を適正に管理する措置を講じる義務があり(職業安定法第5条の5第2項)、個人情報保護法も安全管理措置を求めています(同法第23条)。作業用ファイルをメールに添付して回さず、見られる人を限った共有フォルダか自分の端末の中だけで扱います。

表を直す前に、見た目だけで情報を持たせている箇所を探しておきます。

  • セルの色で状態を表している(黄色は「連絡待ち」など)。CSV にすると色は消えるので、意味を言葉にした列を足す
  • 結合したセル。結合を解除し、空いたセルに値を入れ直す
  • 2段になった見出し。1行目だけを見出しにする
  • 合計の行、区切りの空行、表の外に書いたメモ。どれも消す

手順1: 1シート1種類、1行1件にする

候補者・企業・求人を、それぞれ別のシートに分けます。1人の候補者が複数の求人に応募した結果、同じ人が何行にも並んでいる表はよくあります。この形のまま取り込むと、同じ人が複数登録されます。

直し方は、候補者のシートを1人1行にまとめ、応募ごとの記録を「選考」のシートに切り出すことです。架空の事業所Aの表は、直す前は次のようになっていました。

氏名連絡先状況応募先
山田 太郎9000000001書類B社 営業
山田 太郎yamada@example.jp一次C社 企画
サトウ ハナコ080-0000-0002 / 03-0000-0003済―

1行目と2行目は同じ人で、連絡先の列に電話とメールが混ざっています。3行目は電話番号が2つ1セルに入っています。直した後は、候補者と選考の2つの表になります(どちらも架空)。

氏名,かな,生年月日,電話番号,電話番号2,メールアドレス,希望職種
山田 太郎,やまだ たろう,1990/04/01,090-0000-0001,,yamada@example.jp,法人営業
佐藤 花子,さとう はなこ,1988/11/23,080-0000-0002,03-0000-0003,,経理
氏名,企業名,求人名,段階,日付
山田 太郎,B社,法人営業,書類選考,2026/10/01
山田 太郎,C社,企画職,一次面接,2026/10/08

1セルに1つの値、という形にそろえておくと、CRM 側で列を当てはめるときに迷いません。電話番号が2つある人には「電話番号2」の列を足します。

手順2: 重複を見つけて1行にまとめる

重複は、メールアドレス、電話番号、氏名と生年月日の組の順に探します。氏名だけで判断すると、同姓同名の別人をまとめてしまうからです。

  • 比べやすくするため、補助の列を作る。メールは =LOWER(ASC(F2))(全角を半角に、大文字を小文字に)、電話は =SUBSTITUTE(ASC(D2),"-","")(ハイフンを外す)
  • 補助の列に =COUNTIF($H$2:$H$1000,H2)>1 を入れ、TRUE になった行を並べて見る
  • 同じ人と分かったら、新しいほうの連絡先を残し、古い行の経緯はメモの列に移してから行を消す

会社の代表番号や家族で共有している番号は、別人どうしでも一致します。電話番号だけが同じで氏名がまったく違う行は、まとめずに残してください。架空の事業所Aでは、438行のうち26行が重複で、まとめた結果は412人になりました。

手順3: 日付・電話番号・全角半角・ステータスをそろえる

日付は「2025/04/01」のような西暦の日付に統一します。和暦、年のない「4月1日」、「4/1頃」のような文字が混ざると、取り込み先で読めないか、別の日として入ることがあります。セルに =ISNUMBER(C2) を入れて FALSE になる行は、日付ではなく文字として入っている行です。

電話番号は、先頭の0が消えやすい項目です。Excel は数値に見える値から先頭の0を自動で外すと、Microsoft のサポートページも説明しています。列の表示形式を「文字列」にしてから入力し直すか、ハイフン付きの書き方にそろえます。ハイフンを付けるか付けないかは、どちらかに決めて全行をそろえます。

全角と半角は、メールアドレスと電話番号を半角に、氏名とかなを全角にそろえます。Excel の ASC 関数は全角のカタカナまで半角に変えるため、氏名の列には使いません。姓と名の間の空白は、=SUBSTITUTE(A2," "," ") で全角の空白1つに統一できます。

金額は単位を見出しに書き、中身は数字だけにします(例「希望年収(万円)」の列に「600」)。「600万」「6,000,000」が混ざると、桁が1万倍ずれて入ることがあります。

ステータスは、列のフィルタを開くと、使われている書き方の一覧が出ます。そこで見つかった表記ゆれを、決めておいた段階の名前に置き換えます。

Excel に混ざっていた書き方そろえた後
書類、書類中、書類選考待ち書類選考
一次、1次面接、面接①一次面接
済、入社済、決定入社
NG、辞退、見送り見送り

「済」のように、入社なのか面談が済んだだけなのか分からない値は、置換で一括に直さず、1件ずつ担当者に確かめます。

手順4: 移さない列を決める

移行は、持っている情報を見直す機会でもあります。職業紹介事業者などが守る指針(平成11年労働省告示第141号。業務運営要領に収録)は、本籍・出生地、思想・信条、労働組合への加入状況などを、原則として集めてはならないとしています(第5の1(2))。古い Excel にこうした列があれば、CRM には移しません。

収集の目的に照らして持つ必要がなくなった個人情報は、破棄や削除の措置を講じることも求められています(指針 第5の2(1)ニ)。個人情報保護法も、使う必要がなくなった個人データを遅滞なく消すよう努めると定めています(同法第22条)。ただし、次の節の管理簿の保存期間内にある情報は、消さずに残します。

手順5: CSV UTF-8 で保存する

CSV(項目をコンマで区切った文字だけのファイル)は、シート1枚分しか保存できません。候補者・企業・求人・選考を、それぞれ別のファイルとして保存します。

  • Excel(パソコン版): 「ファイル」→「名前を付けて保存」または「コピーを保存」→ ファイルの種類で「CSV UTF-8 (コンマ区切り)」
  • Excel for the web: CSV では保存できないと Microsoft が案内しています。デスクトップアプリで開き直して保存する
  • Google スプレッドシート: 「ファイル」→「ダウンロード」→「カンマ区切り形式(.csv)」。開いているシートが書き出される

文字コード(文字を数字に置き換える決まり)には、主に UTF-8 と Shift_JIS の2つがあります。Shift_JIS では表せない文字があり、たとえば「𠮷」(土の吉)や絵文字は、保存の時点で「?」に置き換わることがあります。迷ったら UTF-8 を選びます。

保存した CSV をダブルクリックで Excel で開き、そのまま上書き保存しないでください。開き直した時点で電話番号の0や日付の書き方が再び変わります。中身はメモ帳(Mac はテキストエディット)で開いて確かめます。改行を含むメモのセルは、前後が「"」で囲まれていれば正常です。

手順6: 列の対応表を作り、5行だけ試す

取り込む前に、Excel の見出しと CRM の項目の対応を1枚の表に書き出します。

Excel の見出しCRM の項目メモ
氏名氏名必須
電話番号電話番号ハイフン付きでそろえた
電話番号2(項目なし)メモに入れる
状況選考の段階選考の表で入れる
紹介元流入経路―

対応する項目がない列は、メモの列にまとめるか、移さないかを決めます。何も決めないまま取り込むと、その列は黙って落ちることがあります。

試しの5行には、わざと手のかかる行を選びます。改行の入った長いメモ、旧字の氏名、空欄の多い行、年収が入った行などです。取り込んだら画面で1人ずつ開き、文字化け、電話番号の0、生年月日、金額の桁を確かめます。確かめ終えた5人は、全件を入れる前に消しておきます。

手順7: 全件を入れ、件数を合わせる

全件を取り込んだら、取り込み結果の画面に出る数を控え、元の行数と突き合わせます。元の行数は、氏名の列で =COUNTA(A2:A1000) を使えば数えられます。架空の事業所Aの候補者は、次のとおり合いました。

項目件数
CSV の行数(見出しを除く)412
取り込めた404
重複として飛ばした6
取り込めなかった2

404+6+2=412 で、合計が CSV の行数と一致します。重複の6件は、移行前に CRM へ手で登録していた人でした。取り込めなかった2件は氏名が空欄の行で、元の表で直してから個別に登録しました。

件数が合ったら、10人ほどを無作為に選び、Excel と CRM を並べて中身を見比べます。最後に、作業用の CSV と試しのファイルを消します。ダウンロードのフォルダとごみ箱に残った分も忘れずに消します。

移した後の古い Excel の扱い

有料職業紹介事業者は、求人求職管理簿と手数料管理簿を作り、事業所に備えておかなければなりません(職業安定法第32条の15、同法施行規則第24条の7第1項)。古い Excel が求人求職管理簿を兼ねていたなら、移行が終わってもすぐには消せません。

保存期間は、求人求職管理簿は求人または求職の有効期間の終了後2年間、手数料管理簿は手数料の徴収完了後2年間です(業務運営要領 第7の6(4))。帳簿書類を作らない、備えておかない、偽りの帳簿を作るといった違反は、30万円以下の罰金の対象です(同法第66条第6号)。

紙ではなく電子のファイルで備える場合は、必要なときにすぐ画面に出し、書面に印刷できる状態にしておきます(要領 第7の6(3))。古い Excel は次のように扱います。

  • ファイル名を「候補者一覧_移行済_参照専用_2026-11-04.xlsx」のように変え、読み取り専用にする
  • 原本とは別の場所に、もう1つ控えを置く
  • 最後の求人・求職の有効期間が終わった日から2年後を、消してよい日としてカレンダーに入れる

有効期間を決めていなかった求人・求職について、いつから2年を数えるかは要領に書かれていません。管轄の労働局に確認してください。もう1つ注意したいのは、CRM に取り込んだ候補者の受付日です。CRM によっては、取り込んだ日がそのまま登録日になります。移行前の求職受付年月日は、古い Excel の側で確かめられるようにしておきます。

ROSTER に移す場合

ここからは、人材紹介のための AI CRM「ROSTER」に移す場合の決まりです。2026年10月22日時点の画面とCSV 取り込みのヘルプにもとづきます。

  • 一括で取り込めるのは候補者・企業・求人の3種類。選考の段階はCSVでは一括で入らないため、進行中の選考は取り込み後に画面で作る
  • 取り込める形式は .csv だけ(.xlsx は不可)。文字コードは UTF-8 と Shift_JIS のどちらも自動で読み分ける
  • 1回に10,000行まで。超える場合はファイルを分ける
  • 必ず要る列は、候補者が「氏名」か「姓」、企業が「企業名」、求人が「求人タイトル」と「企業名」。氏名が空の行は取り込めない
  • 見出しの名前は自由で、多くは自動で項目に当てはまる。当てはまらない列は画面で選び直し、未割当の列は取り込まれない
  • 生年月日は和暦も読める。年収の「600万」、全角の電話番号も読み替える
  • 求人の「企業名」は、株式会社・(株)の有無や全角半角の違いを吸収して登録済みの企業につなぐ。企業、求人、候補者の順に入れると手戻りが少ない

重複は、取り込みの前に一覧で示され、既定で飛ばします。登録済みの候補者とは、氏名が近いうえでメールか電話が一致する、氏名と生年月日が一致する、メールと電話の両方が一致する、メールと生年月日が一致する、のいずれかで重複とみなします。メールか電話だけの一致では重複としません。ファイルの中では、メール、電話、氏名と生年月日のどれかが一致すれば重複です。候補者に限り、飛ばさずに登録済みの人を更新することもできます。

取り込みの後は、取り込めた件数・重複で飛ばした件数・取り込めなかった行(行番号と理由)が表示され、履歴にも残ります。オーナーと管理者は、履歴から取り込みを取り消せます。消えるのはその取り込みで新しく作られた行だけで、更新した分や、ほかの記録から参照されている行は残ります。

Free プランは候補者50件・求人5件までで、上限を超えた行は取り込まれず、理由つきで結果に出ます。候補者と求人には「受付日」の列を用意しています。入れておくと、管理簿の受付年月日と事業報告書の年度の判定にその日が使われます。列が無い、または空欄の行は、取り込んだ日が受付日になります。

ROSTER では、Excel や他社システムからの移行をこちらで代行する無料移行キャンペーンを行っています。2026年12月31日までのお申し込みのうち、先着20社が対象です。新しく ROSTER を始める組織が対象で、候補者2,000件までの移行、企業・求人の登録、選考ステージなどの初期設定を、画面共有の打合せの中で行います。いまのデータを CSV か Excel で書き出せることが条件で、全項目の移行は保証しません。作業は有料プランの14日間の無料体験の中で行い、体験にはカード登録が必要です。期間内に解約すれば料金はかかりません。条件の詳細は無料移行キャンペーンのページで確かめられます。

よくある質問

Q. 履歴書や職務経歴書のファイルも CSV で移せますか。 A. CSV は文字だけのファイルなので、添付のファイルは入りません。ファイルは候補者ごとに CRM へ付け直します。件数が多いときは、進行中の候補者の分から先に付けます。

Q. 担当者ごとに Excel が分かれています。どうまとめればよいですか。 A. 見出しの名前と並びを1つの形にそろえてから、1つのシートに縦につなげます。その際「担当者」の列を足して、どのファイルから来た行かを残します。重複探しは、つなげた後に行います。

Q. 何年も前に入社した人の記録も移すべきですか。 A. 求人求職管理簿には、採用年月日から2年間の転職勧奨が禁止される期間も書く決まりです(要領 第7の6(3))。少なくとも入社から2年以内の人と、返金規定の期間内の人は、CRM でも追えるように移しておくと安心です。

参考にした資料

ROSTER では、整えた CSV を画面に落とすと列の意味が自動で当てはまり、重複の確認を経て登録できます。取り込んだ後も、データは CSV でいつでも書き出せます。どこまで自分で整え、どこから任せるかは、移行のページで手順と代行の内容を見比べられます。

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