職業紹介の「常用・臨時・日雇」と「無期雇用」の数え方【4か月ルールの早見表つき】
公開: 2026-10-17
事業報告書 / 様式第8号 / 人材サービス総合サイト
職業紹介の常用・臨時・日雇と無期雇用の区分を、4か月ルールの判定手順と計算例、更新あり有期・試用期間・紹介予定派遣などの迷う場面、人材サービス総合サイトへの写し方まで整理しました。
区分を決めるのは、雇用契約で定めた期間です。期間の定めがなければ「常用・無期雇用」、4か月以上の有期なら「常用・それ以外」、1か月以上4か月未満なら「臨時」、1か月未満なら「日雇」になります。正社員かパートかは関係ありません。
迷いやすいのは、「更新を見込んだ短い契約」「4か月ちょうどの契約」「無期かどうかが、離職の調査や人材サービス総合サイトの数字にまで響くこと」の3点です。様式第8号の欄の書き方全体は職業紹介事業報告書(様式第8号)の書き方にまとめたので、この記事は区分の判定と数え方に絞ります。
下敷きにしたのは様式第8号の記載要領と施行規則第24条の8、業務運営要領(令和8年10月版)、大阪・東京・福島の各労働局の資料で、2026年10月17日に読み直しました。資料が答えていない場面は、末尾の「資料に答えがなかった点」にまとめました。そこは主たる事務所を管轄する都道府県労働局(以下「管轄の労働局」)に聞いてください。
判定の早見表
| 場面 | 様式第8号の区分 | 書き方 | 6か月以内離職の対象 |
|---|---|---|---|
| 正社員(期間の定めなし) | 常用・無期雇用 | 件数 | 対象 |
| パート・アルバイトで期間の定めなし | 常用・無期雇用 | 件数 | 対象 |
| 試用期間つきの無期契約 | 常用・無期雇用 | 件数 | 対象 |
| 1年の有期契約(更新あり) | 常用・それ以外 | 件数 | 対象外 |
| 8月1日〜11月30日の4か月契約(更新なし) | 常用・それ以外 | 件数 | 対象外 |
| 3か月の有期契約(更新見込みあり) | 臨時 | 延数(人日) | 対象外 |
| 2週間の短期契約 | 日雇 | 延数(人日) | 対象外 |
| 日を空けて働く断続的な就労 | 日雇 | 延数(人日) | 対象外 |
| 紹介予定派遣からの直接雇用 | 直接雇用の契約で判定 | 区分に従い、括弧で内数 | 無期なら対象 |
区分の定義と予定期間の数え方は、様式第8号の記載要領5(5)にあります。4か月ちょうどが常用になる点と、パートの無期が無期雇用に入る点は、大阪労働局「職業紹介事業報告書セミナー」(令和8年3月)の説明です。3か月契約・試用期間・紹介予定派遣の行は、記載要領の文言をこの記事が当てはめたものです(理由は後の節で書きます)。
延数(人日)は「雇用期間の日数×人数」で、内数は合計の内側に括弧で添える数のことです。
判定は3つの質問で足りる
- 契約書(労働条件通知書)に期間の定めがあるか。なければ常用・無期雇用で終わり
- あるなら、雇用の開始日から契約の終了日までの長さはどれだけか。4か月以上なら常用・それ以外、1か月以上4か月未満なら臨時、1か月未満なら日雇
- 毎日続けて働くのではなく、日を空けて働く形か。そうなら長さに関係なく日雇
2の長さには、途中の休日も含めます(記載要領5(5)、東京労働局 よくある質問)。記載要領は予定期間を「開始日から契約期間の終わる日まで」の日数としているので、この記事では更新の予定は足さずに数えます。
8月1日〜11月30日の4か月は常用です(大阪労働局 同セミナー)。8月1日〜11月29日のように4か月に1日足りない契約は、暦で数えれば4か月未満なので臨時と読めます。境目ぎりぎりの契約は管轄の労働局に確かめてください。
求人の段階でも同じ物差しを使います。様式第8号の求人数の欄も、常用は人数、臨時・日雇は延数で書きます(記載要領5(1))。求人管理簿には「求人に係る雇用期間」を書く欄があり(業務運営要領 第7の6(3)イ(イ)⑨)、ここが区分の出発点です。
計算例:架空の事業所B
人物も数字も架空です。事業所Bが2026年4月1日〜2027年3月31日に紹介して決まった7人を区分します。
| 求職者 | 契約 | 区分 | 数 |
|---|---|---|---|
| Hさん | 正社員、期間の定めなし | 常用・無期雇用 | 1件 |
| Iさん | 週3日のパート、期間の定めなし | 常用・無期雇用 | 1件 |
| Jさん | 契約社員、1年・更新あり | 常用・それ以外 | 1件 |
| Kさん | 8月1日〜11月30日、更新なし | 常用・それ以外 | 1件 |
| Lさん | 7月1日〜9月30日、更新見込みあり | 臨時 | 92人日 |
| Mさん・Nさん | 8月3日〜8月16日のイベント運営 | 日雇 | 28人日 |
Lさんは7月の31日分、8月の31日分、9月の30日分で92日、1人なので92人日です。MさんとNさんは14日が2人分で28人日になります。臨時は1か月以上なので、1人分でも28人日を下回ることはありません(大阪労働局 同セミナー)。
様式第8号の就職欄には、常用の無期雇用2件・それ以外2件、臨時92人日、日雇28人日と書きます。手数料の収入欄も、同じ常用・臨時・日雇の区分ごとに分けて書きます(記載要領7)。
迷う場面ごとの考え方
更新を見込んだ短い契約
3か月契約で「たぶん更新される」場合、この記事は様式第8号では臨時と読みます。記載要領の予定期間は契約の終了日までで、更新の見込みを足すとは書いていないためです。
ややこしいのは、ハローワークの職業紹介統計の定義です。福島労働局が公開する「用語の定義」は、4か月未満でも反復更新が予定されるものを常用とみなしています。
これは別の統計の物差しで、様式第8号の記載要領にこの一文はありません。どちらに従うかは、末尾の「資料に答えがなかった点」に入れました。
有期から無期へ切り替える予定の紹介
業務運営要領は、最初に有期契約を結び、終了後に期間の定めのない契約へ移すことを目的にした紹介を「常用目的紹介」と呼んでいます(第6の6)。労働条件の明示は、最初の有期契約について行います(第9の2(6))。ここでいう「常用雇用契約」は期間の定めのない契約のことで、様式第8号の「常用」(4か月以上の有期を含む)とは範囲が違います。
就職を有期の時点で1件と数えるのか、無期へ移ったときにも数えるのかは、資料に答えがありませんでした。
試用期間
期間の定めのない契約に3か月の試用期間が付いていても、契約そのものは無期です。記載要領の定義が見ているのは契約期間の定めの有無なので、試用期間があっても無期雇用に入ると読めます。
一方、「試用」の名目で3か月の有期契約を結んだなら、その契約は3か月の有期として臨時になると読めます。本採用を見送られて辞めた人を「解雇」として離職欄から除けるかは、資料に答えがありませんでした。
パート・アルバイト・契約社員
呼び方では決まりません。期間の定めがないパートは無期雇用、「正社員」と呼ばれていても契約書に1年の期間があれば有期です。内定通知の呼び名ではなく、労働条件通知書の期間の欄を見て決めます。
紹介予定派遣
紹介予定派遣(派遣先に直接雇用されることを前提にした派遣)では、派遣期間中の雇い主は派遣元の会社です。そのため区分は、派遣先と結ぶ直接雇用の契約の期間で決めるのが自然だと、この記事は考えます。
様式第8号では、各区分の欄に紹介予定派遣の分を括弧で内数として書きます(記載要領5(1))。括弧の数を合計に足さない点は、様式第8号の書き方の記事で触れています。
入社前の辞退と、入社してすぐの離職
東京労働局のよくある質問は、就職件数を対象期間中に「採用連絡のあったもの」で数えるとしています。4月1日付の採用でも、3月31日に連絡を受けていれば前の年度の件数です。入社の前に辞退した人の扱いは、資料に答えがありませんでした。
入社してすぐ辞めた人を就職件数から引くという定めは、確認した資料にありません。この記事は、件数はそのまま残し、無期雇用なら次の6か月以内離職の数に入れると読みます。
6か月以内の離職は「無期雇用」だけを数える
離職を数える対象は、無期雇用で就職した人だけです。有期の人が早く辞めても、手数料を返金しても、この数には入りません。
6か月以内の離職から除くのは解雇による離職です。様式第8号の欄は大阪労働局の説明と管理簿の記載事項(業務運営要領 第7の6(3)イ(イ)⑪)、サイトの数は施行規則第24条の8第3項第2号が根拠です。
様式第8号の④離職欄が見るのは、報告の前々年4月1日〜前年3月31日に就職した人です(記載要領2・5(4))。2027年4月に出す報告書なら、2025年4月1日〜2026年3月31日の就職者が対象になります。
ここは就職日で数えます(大阪労働局 同セミナー)。就職件数は採用連絡の日で数えるので、年度末をまたぐ人は、就職件数と離職の母数で年度がずれることがあります。
計算例:2025年度の無期雇用就職者10人
| 調べた結果 | 人数 | 書く欄 |
|---|---|---|
| 6か月以内に自己都合で退職 | 2 | 離職 |
| 6か月以内に解雇 | 1 | どこにも書かない |
| 退職は分かったが、時期か理由が確認できない | 1 | 不明 |
| 雇用主から回答がない | 1 | 不明 |
| 6か月を過ぎても在籍 | 5 | どこにも書かない |
離職は2、不明は2です。合わせて10人になることを確かめておくと、数え漏れに気づけます。時期や理由が分からない人を不明に入れる扱いは、東京労働局のよくある質問によります。
調べ方は2通り
原則は、雇用主への調査です(施行規則第24条の8第5項)。業務運営要領の様式例第6号に、確認を依頼する文書の例があります。求人管理簿・求職管理簿には、離職したかどうかに加えて、調査した日と方法を書きます(要領 第7の6(3)イ(イ)⑪・(ロ)⑦)。
返戻金制度(早く辞めたときに手数料の一部を返す仕組み)がある事業者は、調査の代わりに返戻の対象になった人数で数えられます(施行規則第24条の8第6項)。管理簿にも、返金をしたかどうかを書けば足ります。
施行規則は返戻の期間を決めていません。ただ、この記事の見立てでは、「3か月以内の退職は50%返金」だけの規定だと、4〜6か月目に辞めた人は返戻の対象にならず、数から漏れます。規定が6か月に届かないなら、調査と併用するのが無難です。
人材サービス総合サイトへの写し方
人材サービス総合サイト(厚生労働省が運営する、職業紹介事業者の実績を公開するサイト)にも、同じ区分の数字を載せます。東京労働局の入力手順書(平成31年2月)は、様式第8号の数字を次のように写すと案内しています。作成から年数がたっているので、欄の名前はいまの画面で確かめてください。
| サイトの欄 | 写す数字 | 載せる時期 |
|---|---|---|
| 4か月以上有期及び無期 | 常用の就職件数(無期雇用+それ以外) | 毎年4月 |
| そのうち無期 | 常用の就職件数のうち無期雇用 | 毎年4月 |
| 4か月未満有期 | 臨時の就職延数+日雇の就職延数 | 毎年4月 |
| 離職者数・不明者数 | 無期雇用就職者の6か月以内離職と不明 | 毎年10月〜12月 |
事業所Bなら、4か月以上有期及び無期に4、そのうち無期に2、4か月未満有期に120(92+28)です。最後の欄は件数ではなく人日の合計になるので、いまの入力画面の単位を確かめてから入れてください。
期限は施行規則で決まっています。就職者数は5月1日から前年度分を、離職者数は1月1日から前年度分を載せている必要があります。どちらも、前年度とその前4年度の各年度を並べて載せます(施行規則第24条の8第3項・第4項)。
離職者数は、様式第8号の④離職欄と同じ人たちの数です。2025年度の就職者の離職状況は、2026年12月末までにサイトへ載せ、2027年4月の報告書にも同じ数を書きます。先にサイトへ出した数と報告書の数がずれないよう、同じ集計表から写します。
平均手数料率も「常用」で計算する
2025年4月から、取扱職種ごとの常用就職1件当たりの平均手数料率も載せることになりました。ここでいう常用就職は、無期雇用と4か月以上の有期雇用です(業務運営要領 第9の6(1))。臨時と日雇は計算に入りません。
対象は、前年度の常用就職が多い上位5職種です。求人者から受け取る手数料(受付手数料・上限制手数料・届出制手数料)の合計を、就職者に1年間に支払われる見込みの賃金の合計で割り、小数第2位を四捨五入します。求職者から受け取る手数料は入りません。
常用就職が10件以下の職種は載せなくてかまいません。手数料を定額だけで受け取っているなら、率の代わりに平均の額を載せられます。載せる時期は、事業報告書の提出後速やかに、です。
架空の例で、ある職種の常用就職が12件、手数料の合計が1,800万円、見込み年収の合計が5,400万円なら、33.333…%を四捨五入して33.3%です。
管理簿に残しておくこと
就職が決まったら、求人管理簿・求職管理簿の「職業紹介の取扱状況」に次を書きます(業務運営要領 第7の6(3)イ(イ)⑪・(ロ)⑦)。
- 採用年月日
- 無期雇用就職者であれば、その旨
- 転職勧奨が禁止される期間(採用年月日から、2年後の同じ日付の前日まで)
- 無期雇用就職者の離職状況と、調査した日・方法(返戻金で代える場合は返金の有無)
転職勧奨の禁止も、無期雇用就職者だけが対象です(業務運営要領 第9の5(4)イ)。2026年10月1日採用なら、2028年9月30日までです。区分を誤ると、この期間の管理まで狂います。
区分は、成約の時点で労働条件通知書の期間の欄を見て決め、管理簿に書いておきます。報告書の時期に契約書を集め直すより、ずっと楽です。
資料に答えがなかった点
次の4つは、確認した資料に答えがありませんでした。該当する人がいたら、提出前に管轄の労働局に聞いてください。
- 4か月未満の有期で、反復更新が予定されている契約を常用にするか
- 有期から無期へ切り替える紹介で、就職を何件と数えるか
- 入社前に辞退した人を就職件数に入れるか
- 本採用の見送りを、離職欄の「解雇」として除けるか
よくある質問
Q. 有期で紹介した人が3か月で辞め、手数料の一部を返しました。離職欄に入りますか。
A. 入りません。離職欄と人材サービス総合サイトの離職者数は、無期雇用就職者だけが対象です(記載要領5(4)、施行規則第24条の8第3項第2号)。
Q. 求人票は「正社員」でしたが、入社時の契約書は6か月の有期でした。どちらで数えますか。
A. 就職の区分は、結ばれた契約の期間で決まります。6か月の有期なので、常用・それ以外です。なお、求人票と違う条件で契約するときは、求人者が求職者にその変更を明示しなければなりません(職業安定法第5条の3第3項)。
Q. 退職勧奨を受けて、本人が合意して辞めました。解雇として除けますか。
A. 除けるのは解雇による離職です。合意による退職を解雇に含める根拠は、確認した資料にありませんでした。この記事は離職として数える前提で書いています。
参考にした資料
- 職業安定法・職業安定法施行規則(e-Gov 法令検索)
- 厚生労働省 職業紹介事業の業務運営要領(令和8年10月版)・様式第8号
- 大阪労働局「職業紹介事業報告書セミナー」令和8年3月
- 東京労働局 有料・無料職業紹介関係(よくある質問)
- 東京労働局「人材サービス総合サイトへの情報掲載の方法について」平成31年2月
- 福島労働局「用語の定義」(職業紹介統計)
ROSTER では、求人と成約ごとに雇用区分(無期・4か月以上の有期・4か月未満の有期)を記録し、事業報告書の画面で様式第8号の就職件数を区分別に集計します。求人では雇用形態から区分が自動で入り、手で直せます。4か月未満の有期は臨時と日雇を分けず件数で数えるので、延数(人日)は手で書き入れてください。
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